メイクス技建株式会社の更新担当の中西です
さてメイクス技建の雑学講座~注目されている技術~
ということで、今回は、現在注目されているシーリング技術の進化と今後の展望について深掘りしていきます♪
シーリング技術は、建築・自動車・電子機器・航空宇宙など多様な分野で不可欠な存在です。従来のシリコン系やポリウレタン系のシーリング材に加え、環境負荷を低減しながら高耐久性・高機能性を兼ね備えた新技術が次々と登場しています。
1. シーリング材の最新トレンド
① 自己修復型シーリング材
従来のシーリング材は、一度損傷すると補修が必要でした。しかし、自己修復機能を持つ新素材が開発されており、特にマイクロカプセル技術やポリマーの動的結合技術が注目されています。
- マイクロカプセル技術: シーリング材の中に微細なカプセルを埋め込み、破損すると内部の修復剤が流れ出し自己修復する仕組み。
- 動的共有結合ポリマー: 分子レベルで自己修復が可能なポリマーを採用し、微細な傷でも自己修復できる。
- 用途: 建築の目地材、橋梁の接合部、電子機器の防水シールなど。
② ナノテクノロジーを活用した高耐久シーリング
ナノ粒子を組み込んだシーリング材が開発されており、耐候性・耐薬品性・柔軟性が向上しています。
- ナノシリカ添加材: 硬化後のクラック抑制や防水性向上に貢献。
- カーボンナノチューブ: 機械的強度を向上させ、紫外線や酸化による劣化を防ぐ。
- 用途: 高層ビルのガラスシーリング、自動車の窓枠シール、航空機のシール材。
③ 環境配慮型シーリング材
近年、揮発性有機化合物(VOC)の削減が求められています。
- 水性シーリング材: 溶剤系シーリング材の代替として開発され、塗布時の環境負荷を低減。
- バイオベースシリコーン: 再生可能な有機素材を使用し、CO₂排出を抑制。
- 用途: 住宅建築、食品工場、クリーンルームなど。
2. 産業別の最先端シーリング技術
① 建築分野
- 次世代耐震シーリング: 地震時の揺れに追従し、ひび割れを最小限に抑える伸縮性の高いシーリング材。
- スマートシーリング材: 色の変化で劣化や漏れを検知し、メンテナンスの効率化を図る。
② 自動車・航空宇宙分野
- 軽量化シーリング材: 高分子複合材料を用いた軽量・高耐久のシール材。
- 自己潤滑性シール: 長期間メンテナンス不要で摩擦を減少させる技術。
③ 電子機器分野
- フレキシブル防水シール: ウェアラブルデバイスや折りたたみスマートフォンの可動部にも対応可能なシール材。
- 電磁波シールド機能付きシール: 5G通信機器向けに電磁波干渉を防ぐ機能を備える。
3. 今後の展望と課題
シーリング技術の未来には、さらなる耐久性向上、環境負荷低減、そしてスマート機能の追加が求められます。
- AIとIoTとの融合: シーリング材の状態をリアルタイムでモニタリングし、異常を検知する技術の開発。
- 完全リサイクル可能なシーリング材: 環境負荷ゼロを目指す新素材の研究。
今後も、シーリング技術は進化を続け、私たちの生活をより安全で快適なものにしていくでしょう。
